砂糖の歩んできた道①
サトウキビの原産地は太平洋南部のニューギニアです。そこからインドを渡り、中東を通じてヨーロッパに伝わりました。それまでヨーロッパには砂糖はなく、ハチミツや果実しかありませんでした。なので砂糖は権力者や大金持ちだけが手に入る貴重品でした。ふんだんに食べることが富の証でした。結婚式に白くて甘いウエディングケーキが出るのはその名残です。
砂糖は誰もが欲しがるので買い手は無限にあります。だから、大量に作れば、世界中の富が手に入ります。サトウキビは最初、温暖な地中海の島々で栽培を始めましたが、土地だ狭く地中の栄養分が取られて荒れてしまいました。そこで、土地を求めて大西洋を渡って行きました。
16世紀にはポルトガルがブラジルを植民地とし、砂糖の栽培を始め世界市場を独占、17世紀にはオランダがカリブ海の島々で砂糖を作り、のちにイギリスも後を追いました。
(この頃安価な労働力を得るために西アフリカから奴隷を連れてきて過酷な労働をさせており、イギリスはアメリカ南部で綿花の栽培を奴隷にさせ、本国で綿織物を製造しました。これが産業革命のきっかけとなります。)
こうしてポルトガルやオランダ、イギリスは巨万の富を手に入れ、イギリスでは紅茶に砂糖を入れて飲みことが上流階級の証でした。
次回に続く
副院長 梅津幹也
2020年08月12日 08:30