むし歯菌が感染する?
小さいお子さんに自分のお箸で食べ物をあげようとしたら『むし歯菌に感染するからだめ!』と言われた、ということを耳にすることがあります。むし歯をつくる菌(ミュータンス菌)は赤ちゃんの歯が生え出すと、口の中に住み始めます。その菌の約70%は母親から来たものという報告があります
3歳ころまでにミュータンス菌の侵入を防げれば、他の菌が住み着くのでミュータンス菌は入りにくくなります。この時期が遅ければ遅いほどむし歯予防につながります。
そこで、ミュータンス菌は母親や家族から来るので①スプーンや皿の共用②口移しであげる③噛み与え④キスを控えることで感染を防ぐことができると言われました。
しかし、歯科的には正しくても愛情面からみると気になるところです。
むし歯予防と愛情面は相容れないものですが、根本的にはむし歯菌の侵入を防げば良いことを考えると、ミュータンス菌のエサとなる砂糖の摂取を控え口の中に住めないようにする、家族の口の中にいるミュータンス菌を減らす、が重要になってきます。
つまり、小さいお子さんがいる場合は、上記のようなスプーンの共用などのようなことを控えることも効果がありますが、あまり神経質にならずに済むように家族のみんなが口の中の健康を考えることも重要になってきます。
副院長 梅津幹也
2020年08月11日 08:30